みどりの相談所

樹木編

Category: 樹木編

どんぐりは秋になり、落ちている状態で見ることが多いかと思いますが、実際はどんなふうに成長しているのでしょうか。

はじめに、「どんぐり」という名前の木はありません。一般にどんぐりというのは、ブナ科の木の総称を言います。代表的な日本のどんぐりの木は、「アベマキ」「クヌギ」「コナラ」「マテバシイ」「ウバメガシ」「シラカシ」などがあげられます。
もちろん、「実がなる」ということは、花も咲きますが、華やかな形でもなければ色鮮やかなお花でもないので、4月頃に密かに咲いています。
その花が受粉してどんぐりの実になるまでには、その年に実るものと2年目に実るものがあります。

こちらのコナラの実の成長の様子を撮影した写真を見てみると、夏以降、一気に実が大きく成長していく様子が分かります。どんぐりのぼうしと言われる殻斗(かくと)は、まだまだ小さな実の頃は、その実を守る防護服になっているようです。
植物の花が咲き、実になっていく途中の過程は、どんぐりに限らず、どの植物も大変面白く意外な発見もあります。何か興味がわいた植物があれば、是非じっくり長くその植物を観察してみてください。

 7月中旬

 8月中旬

 9月中旬

 10月中旬

 アベマキの花

 ウバメガシの花

Category: 樹木編

ツバキは、花の少ない冬から春にかけて大きな花を咲かせることから、日本では昔から観賞価値の高い植物として盛んに品種改良がされてきました。

品種改良の原種には、日本に自生している野生のツバキであるヤブツバキとユキツバキの二種類があります。

ヤブツバキは日本全国に分布し、北は青森県から南は沖縄県、更に国をまたいで台湾の北部まで生育しています。日陰を好む常緑樹で、冬の花の代表格。赤い花弁に黄色の雄しべが特徴的です。

ユキツバキは、北陸地方から東北地方の日本海側、それも山間部に生育している植物です。豪雪地帯に適応した姿をしており、通常では成長すると固く太い幹を形成するのがヤブツバキですが、ユキツバキは細くしなやかな枝をしており、多くは株立ちの状態で生育しています。

園芸品種としてのツバキには、ツバキとサザンカの交雑品種群のハルサザンカというものもあります。ツバキの花は首からボトリと落ち、サザンカはハラハラと散り、その差は花弁どうしが付け根の部分で癒着しているかどうかによります。では、ハルサザンカはどうかというと、「半分だけくっついている」と、ややこしい性質を持っています。ちなみに、一般的に園芸店で生垣用にサザンカの赤色で八重の品種を取り扱っている場合、多くは「立寒椿」という名で販売しており、この品種はハルサザンカです。

さて、サザンカ類は12月までで概ね見ごろを終えてしまうのですが、ツバキやハルサザンカは1月以降も見ごろとなっていきます。名古屋市内の公園にもツバキやハルサザンカは植栽されているので、散策と合わせてどんなツバキが咲いているか探してみるのも面白いです。

  
ヤブツバキ                  ユキツバキ
  
白侘助(しろわびすけ)            初雁(はつかり)
 
白玉椿(しろたまつばき)           乙女椿(おとめつばき)

寒椿(かんつばき)

Category: 樹木編

桜の品種は、自生や改良品種を含め200種以上あり、品種も混ざり易い樹木です。
カワヅザクラを代表として「早咲き」と呼ばれる品種も数多くあります。
早咲きを決める最大の要素は血統です。
交配した親が早咲きの「カンヒザクラ」やソメイヨシノよりやや早い「エドヒガンザクラ」の品種は、早咲きの性質や花の様子、姿をしている事が多いです。

カンヒザクラとオオシマザクラが自然に交配し発見された「カワヅザクラ」や、人間の手で交配品種として生み出されたイギリス生まれの「オカメザクラ」(カンヒザクラとマメザクラ)、富山県で見つかった「コシノヒガンザクラ」(エドヒガンザクラとキンマメザクラ)、
エドヒガンの変種として見つかった「ベニシダレザクラ」などなど。

早咲きと呼ばれる品種群はソメイヨシノより早く咲くと言うのが基本です。
3月上旬に見ごろに入っているものがあれば、その品種は早咲きのサクラか寒咲きのサクラ(冬桜や十月桜など四季咲き系の桜)の可能性があります。
最近でも新品種が見つかる桜。
個性がある個体も見かけますのでお花見シーズンにはじっくり観察してみては如何でしょうか?

※写真は荒子川公園の桜たちです。

カンヒザクラ
オカメザクラ
コシノヒガンザクラ
ベニシダレザクラ
Category: 樹木編

古来より多くの日本人が愛してやまない花と言えば「桜」です。そして数百種とも1,000種とも言われる数多くの品種が存在する花木です。
日本でもっとも有名な桜の名所と言えば、奈良県の吉野山でしょう。「千本桜」や「一目千本」といった表現をされるほどの名所ですが、野生種であるヤマザクラが主となります。吉野山を覆うほど咲いているサクラが霞んで見えるのは、ヤマザクラの特徴である花と若葉が同時に開く為です。

私たちの生活の中で、最も親しみのある桜と言えばソメイヨシノが代表と言えます。ソメイヨシノは、江戸時代に野生種であるエドヒガンザクラとオオシマザクラの交配によって生まれた桜と言われています。

なぜソメイヨシノは実をつけないか?これはソメイヨシノ限定となります。
ソメイヨシノは、その特性や性質を保持する為に「接ぎ木」や「挿し木」でのみ増やします。従ってソメイヨシノは、全て同じ遺伝子を持つクローン植物なのです。
もしソメイヨシノの繁殖が人の手から離れてしまった場合、同種同士の受粉は出来ませんのでソメイヨシノと言う品種は絶えてしまう運命なのです。人間の手を借りなければ存在出来ない桜と言えます。
しかし、別種のサクラが周辺に存在し、虫などに花粉を運ばれ、ソメイヨシノが受粉出来れば結実します。

荒子川公園には、約1,000本のサクラが植栽されており、主となるソメイヨシノの他に、オオシマザクラやコシノヒガン、シダレザクラ、ヤエシダレザクラ、カンザン、ヤマザクラ、シナミザクラなどが確認出来ます。その他にも桜に良く似た、少し特徴の違う個体などもあります。お花見の際に注意深く見ると面白い発見があるかもしれません。

人間の力を借りなければ種の存続が出来ないソメイヨシノですが、昨年も荒子川公園内のソメイヨシノは結実している樹木もありました。その実が、鳥たちにどこかへ運ばれ根付いた時、ソメイヨシノではなくても美しい桜の花がいつか開花するかもしれません。

 ソメイヨシノ

 オオシマザクラ

 カンザン

 荒子川公園の桜並木。荒子川沿い南北に1.5km

Category: 樹木編

ギラギラと陽射し眩しい季節となり、梅雨明けもう間近です。そして、暑い中でも元気に開花を続ける「サルスベリ」の花。

サルスベリの特徴と言えば、まずは元気いっぱい咲くそのお花。大きな綿菓子のような房状の花を枝先につけ、7月~10月頭頃まで開花し続けます。サルスベリを漢字で表記すると「百日紅」。百日咲き続けることからこの漢字名がついています。

花房に近寄って、じっくり観察すると、フリフリのシュシュのような花びらを6枚持つ、小さな花の集まりであることがわかります。このたくさんの小花達が、100日に渡って、次々に咲いていく姿は、夏から初秋にかけて、我々の目を楽しませてくれます。

気になるのは、一房には、一体、何個の花が咲くのかということです。そこで、一般的な大きさのサルスベリの房をちょっといただき、数えやすいよう花びらだけを取り出し、根気よく数えてみました。さて、結果は?・・・ナント、471個もありました!! だから、なるほど納得の数字です。

この一つ一つの花は、秋には、その一つ一つが実になり、枝が風に揺れると、シャカシャカとマラカスのような音がなりますので、晩秋までお楽しみに♪

そしてもう一つ、サルスベリの特徴と言えば、そうその名の通り、猿も滑ることからこの名がついたといわれる、ツルツルの幹肌です。触ったことはありますか? 写真だけでは伝わりにくいので、どこかで見かけたらツルツル具合を是非お試しください。ただし、サルが滑るかどうかは分かりませんが、昆虫達は滑らないようですよ。

 
サルスベリ(みどりが丘公園)         サルスベリ(みどりが丘公園)

 
花のアップ                  一房に、たくさんのツボミが!!

 
マラカスのような音がします。         幹肌ツルツルです。


虫は滑らないようですが、猿は滑るのでしょうか?

みどりの協会からのお知らせ