桜の不思議。ソメイヨシノは実をつけないの?
古来より多くの日本人が愛してやまない花と言えば「桜」です。そして数百種とも1,000種とも言われる数多くの品種が存在する花木です。
日本でもっとも有名な桜の名所と言えば、奈良県の吉野山でしょう。「千本桜」や「一目千本」といった表現をされるほどの名所ですが、野生種であるヤマザクラが主となります。吉野山を覆うほど咲いているサクラが霞んで見えるのは、ヤマザクラの特徴である花と若葉が同時に開く為です。
私たちの生活の中で、最も親しみのある桜と言えばソメイヨシノが代表と言えます。ソメイヨシノは、江戸時代に野生種であるエドヒガンザクラとオオシマザクラの交配によって生まれた桜と言われています。
なぜソメイヨシノは実をつけないか?これはソメイヨシノ限定となります。
ソメイヨシノは、その特性や性質を保持する為に「接ぎ木」や「挿し木」でのみ増やします。従ってソメイヨシノは、全て同じ遺伝子を持つクローン植物なのです。
もしソメイヨシノの繁殖が人の手から離れてしまった場合、同種同士の受粉は出来ませんのでソメイヨシノと言う品種は絶えてしまう運命なのです。人間の手を借りなければ存在出来ない桜と言えます。
しかし、別種のサクラが周辺に存在し、虫などに花粉を運ばれ、ソメイヨシノが受粉出来れば結実します。
荒子川公園には、約1,000本のサクラが植栽されており、主となるソメイヨシノの他に、オオシマザクラやコシノヒガン、シダレザクラ、ヤエシダレザクラ、カンザン、ヤマザクラ、シナミザクラなどが確認出来ます。その他にも桜に良く似た、少し特徴の違う個体などもあります。お花見の際に注意深く見ると面白い発見があるかもしれません。
人間の力を借りなければ種の存続が出来ないソメイヨシノですが、昨年も荒子川公園内のソメイヨシノは結実している樹木もありました。その実が、鳥たちにどこかへ運ばれ根付いた時、ソメイヨシノではなくても美しい桜の花がいつか開花するかもしれません。
ソメイヨシノ
オオシマザクラ
カンザン
荒子川公園の桜並木。荒子川沿い南北に1.5km








